SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS ANNEX

SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS 別館

ロジェ・シャルチエ:『書物の秩序』他


歴史やっている場合、文学における受容美学の議論にとっかかる前に、とりあえずシャルチエから入っとく方がいいっすよね。特に西洋史は。
中世の場合、色々としっくりこない所がありますが、叩くにせよ支持するにせよ参照軸としはやはり無視するわけにはいかないですよね。


アナール第4世代に位置するロジェ・シャルチエ Roger Chartier の書物・読書・読者・読書行為の社会史研究はいくつか邦訳があるわけで。
取っ掛かりとしてはまずこれでしょう。



書物の秩序 (ちくま学芸文庫)

書物の秩序 (ちくま学芸文庫)

訳者による丁寧な研究史の解説もあるし。


それとこれ。

読書と読者―アンシャン・レジーム期フランスにおける

読書と読者―アンシャン・レジーム期フランスにおける



大体この2冊でシャルチエの研究の本筋がわかると思われます。


余力があればこれも。

読書の文化史―テクスト・書物・読解

読書の文化史―テクスト・書物・読解


最近復刊された

書物から読書へ

書物から読書へ

はまあ、特には。


シャルチエって、ブルデューフーコーとセルトー読んでいる人なら、あ〜それねって言うことを実際に歴史でやってみせたという感じはありますけどね。


そして可愛そうなのがマンドルー。

民衆本の世界―17・18世紀フランスの民衆文化

民衆本の世界―17・18世紀フランスの民衆文化

シャルチエによってけっこうけちょんけちょんに叩かれます。


マンドルーってブロデルにこき使われて、あんまり研究できずに半ば過労死?みたいな形で亡くなってしまったそうですが、研究でも叩かれて…。