SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS ANNEX

SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS 別館

遠山美都男『天皇と日本の起源』


天皇と日本の起源 (講談社現代新書)

天皇と日本の起源 (講談社現代新書)


著者は学習院大出の古代日本史研究者。1957年生まれ。著者多数。



なぜ飛鳥に都を作ったのか。6〜7世紀の王権のプロジェクトを解明する試み。
そこに歴代女帝が中心的役割を担っていたという。


史料的問題とは言え、いかんせん、中心となるテクストが『日本書紀』『古事記』で、後は考古の成果で議論が進んでしまう。


「〜であろう」「〜と思われる」「〜だったにちがいない」など、推測的記述の連発。カウントしたら相当な数になる「であろう」。
しかも、推測的記述だったはずの指摘が、いつの間にか後段では事実のごとき記述に…。


興味深い指摘は多々あるのだが、もう少しこちらを説得させてくれるものが欲しかった。