『金持ちの誕生』
これは本業系。確かまだ取り上げてなかったと思うので。
- 作者: 宮松浩憲
- 出版社/メーカー: 刀水書房
- 発売日: 2004/04
- メディア: 単行本
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膨大な史料を駆使して、「金持ち」の誕生を論じる大著。
著者は、12世紀フランスの社会経済史を専門としている。
主張に拠れば、「金持ち」の存在は、従来の研究者がしているような、12世紀後半〜13世紀にでてくるのではなく、もっと前から確認できるのだそうだ。
自分が社経史の人の叙述スタイルを読むのに慣れていないせいもあるのかもしれないが、なんというか、しっくりこなかった。
こちらが期待していた情報が見つけられなかったせいもあるのかもしれない。
特に、後半の聖人伝などのナラティヴ史料を扱っている箇所では、そのしっくりこなさ加減が強かった。
ただ、クレモーナのホモボヌスを取り上げている点は注目したい。自分の知らない文献情報もあったことだし。