SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS ANNEX

SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS 別館

ジェラール・ジュネット:『物語のディスクール』


物語のディスクール―方法論の試み (叢書記号学的実践 (2))

物語のディスクール―方法論の試み (叢書記号学的実践 (2))


プルーストの『失われた時を求めて』をメイン素材に分析した物語論
扱うテクストがテクストだけに、時間の分析に多くの分量が割かれている。
他に叙法と態の分析。
個々のテクニックというか、方法の効果とその方法を用いることが作者にとってどういう意図から来てるのかとか、中々興味深い指摘が多々あった。


徹底的に形式分析を行っても、というか、逆にそうすることでプルーストこの作品の凄さが改めてわかる。
正直、プルーストは何度読んでも挫折させられた、読んでもさっぱり読んだ気がしなかった作品で、あんまりいい思い出がありませんがね。


興味ある人はジュネット片手に実際にプルーストのテクストを見ると面白いでしょうな。
もちろん原書で。