『中世史研究者のアトリエ』シリーズより
軽くメモがてらに。
この L'atlier du médiéviste のシリーズは中世史研究者入門用なのですが、個人的に1、2位を争うほどお気に入りな巻がコレ。↓
前に見た時は品切れ状態だったと記憶してましたが、どうやら復活したようです。
ナラティヴ系史料をメインに扱うなら、この巻は持っていた方がいいですな。自分が読んでいる史料の中で、使われている引用がどんな種類のどんなテクストから引かれているか調べるための基本情報が揃っています。聖書に限らず、俗語作品、古代の著述家の作品、法典、典礼、詩、祈祷、アラビア語、ヘブライ語、ギリシャ語訳作品、聖人伝、説教集、例話集、lieu commun (common place)、「百科事典」、動物寓話集、鉱物類蒐、図像学など、多岐にわたるジャンルのソース検索方法と基礎知識を提供してくれています。
そして、『ラテン教父著作集』Patrologiae latina (PL.) の有効利用法まで解説してくれているのが素晴らしい。まあ、PLのオンラインのデータベースを利用できる大学やCD-ROMを所有している大学などではこんな知識は必要ないのかもしれませんが、いかんせん、ウチの大学にはそのようなものがないので、じかにPLにあたって調べないといけない人間には、とても有益。ここだけコピーして持ち歩いてもいいかなとも思います。