ウラジミール・プロップ:『昔話の形態学』
物語論の記念碑的研究。
懐かしの1冊。久々の再読。
- 作者: ウラジミール・Я.プロップ,北岡誠司,福田美智代
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 1987/08/01
- メディア: 単行本
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解説によれば、レヴィ=ストロースの「神話の構造研究」(1955年)がアメリカに入ってきた時に思い出されたということで、どんだけ忘れ去られた名著だったんだと。
しかしなんでアマゾンはこんなタイトルでしか表記されないのか。
物語は機能から成り立ち、物語には「型」があり、そして物語の構造は記号化できるということを証明して見せた画期的著作。
ロシアの魔法昔話として分類される物語群は、実は31の型におさまることを明らかにした。
バルトの物語構造の研究と並んで、ナラティヴを扱う者としては方法論は大いに参考になるわけですが、プロップが実際に物語の分類を実践している章を見てると、どうしてそこで分類されるか素人目にはよくわからない部分もあるように思われるのですよ。
物語の「筋」を軸にした分類を否定しているようで、実は「筋」で分類しているんじゃないかと思ってしまうのです。
この辺は解説でも説明されていましたが、やはり方法論としては極めて有益だが、これをそのままで使うわけにはいかないということですな。