山本博『ワインが語るフランスの歴史』
- 作者: 山本博
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
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どこにも書いていなかったのでわかりませんが、白水 U ブックスっになっているということは、雑誌『ふらんす』の例の連載エッセイだったんでしょうか。
古代から近代までをワインと共に見ていく。
実は逆。
むしろフランスの歴史がワインを語っていると読めた。
固有名表記や事実関係での誤記が多い。
シャルルマーニュ大帝とか、カノッサの屈辱が教皇ウルバヌス2世とか。
どうしても「大帝」を使いたかったんでしょうか。
ワインとフランス史について、初歩的な知識がある者にとっては楽しい読み物。
そうでない人にとっては、あまり面白くないと思う。
ワタクシ的には十分楽しめました。
できれば紹介したワインについては写真なり図版があったら、もっと楽しかったかもしれない。
しかしですね、
ソースはどこから引っ張ってきたのか不明ですが、「飲んで女性の美しさを損なわないのは、シャンパンだけです!」とポンパドゥール夫人が言ったそうで。
んが、これはどうなんでしょう。
つい最近、シャンパンを飲んで大変なことになっていた女性を身近で見てしまったものとしては、彼女のこの発言には大いに疑問が残りますねw
まあ、ポンパドゥール夫人のおかげで、今日我々はおいしいワインに諸々出会えることになったみたいですがね。
著者は1931年生まれ。
日本輸入ワイン協会会長を務めるなど、日本のワイン業界における御大。
著訳書多数。
早大大学院で法律科卒。
あとがきを見ると、法制史の世良晃志朗の講義を受けたことの影響大だという。