ジャン・クロード・シュミット『中世歴史人類学試論』
- 作者: ジャン・クロードシュミット,Jean‐Claude Schmitt,渡邊昌美
- 出版社/メーカー: 刀水書房
- 発売日: 2008/06
- メディア: 単行本
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久しぶりに師匠の訳書を読みましたよ。
論文集なんですが、ほぼ大半は読んであったので、翻訳されて嬉しいやら悲しいやら。
発表された時期も70年代から2000年までと幅がありすぎるので、それぞれのテーマに関して研究史をマッピングしておかないといけませぬ。
タイトルに歴史人類学と銘打っていますが、なるほど確かに扱う主題は、儀礼、主体、身体、時間など、人類学ではもはや「王道」とも取れるようなものばかりですが、彼がメインで採用する手法は人類学的というより民俗学的手法ではないかと。
プロップの物語論やらアールネ&トンプソンの民話インデックスやらを駆使するところなんかはまさにそれでしょうね。
まあ、それが歴史でやることの宿命かもしれませんが。
細かいところですが、人名や事項に関する訳語等々に違和感が結構ありました。
前はこういう風に言ってなかったはずなのに、どうしちゃったんだろ?というのがちらほらと。
あと、註に挙げられている文献の中には結構邦訳されているのもあったので、できれば邦訳書誌情報も載せてくれたら、関心を持った読者には便利なのかなとも思いました。
訳文自体は流石でございます。ワタクシめごときがどうこう言えるものではございません。