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昨日大学でコピーしてきた文献を幾つかご紹介。
っていうか、かなりハズレもあり、紹介できないものもあります。
そういうのに限って自分にモロ関わるテーマだったりする。
で、ハズレと知りながらも敢えてコピーしなければならないこのつらさ…
気を取り直して、昨日の珠玉のお宝は以下の3論文。
キャサリン・パーク/ロレイン・J ・ダストン「反‐自然の概念‐16、7世紀イギリス・フランスにおける畸形の研究‐」(『思想』vol . 701、1982年、90−118頁)
伊藤和行「混沌たる自然‐ルネサンスの魔術的宇宙観‐」(『理想』vol . 649、1992年、34−43頁)
伊藤和行「人文主義・芸術・科学‐イタリア・ルネサンス科学新考‐」(『思想』vol . 785年、1989年、99−125頁)
一見してわかるとおり、かなり古い論文たちです。
そもそもなぜ16・17世紀の西欧の魔術・占星術などを学者達が大真面目に取り組むかという理由がここに分かりやすく書かれています。
17世紀に生まれる機械論哲学、つまり今の我われの科学的認識の根幹を基礎付けることになるこの学知がなぜ生まれたのかと問題にこれまでの学者達は答えられなかった。
しかし、この糸筋が実はブルクハルト的16世紀ルネサンス人文主義像の影で見過ごされてきた魔術哲学にあるんだということを提唱した人物こそが、他ならぬフランセス・イエイツであるということを述べています。
で、彼女以後、この魔術思想研究は盛況になるのですが、いかんせん、この辺の重要さ、面白さに気付く日本の研究者は少なく、ごく一部のサークルでのみ研究されるに留まっています。
しかも文系歴史学畑の人がほとんど絡んでいないというのも問題あり。
大半は理系の歴史畑。
しかも日本で火をつけた人はアカデミズムとは離れた人たち。