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2005年4月2日
今回の日本の報道で思ったのが、Papa の訳し方。数えてませんが、大抵どこの報道でも「法王」とされていたように思います。
しかし、一方で「教皇」という訳もあるわけで。
一体どうして2つも訳語があるのか?
ちなみに、歴史学では「教皇」と訳すのが通例になっていると思います。
二昔くらい前の世代の研究者には、「法王」と訳される方もいたように思いますが、今この訳語を使う人は皆無だと思います。
僕の場合、一応教会用語の訳語に関しては、手元にある文部省『学術用語集 キリスト教学編』(学術振興会、1972年)や、『岩波書店キリスト教辞典』(岩波書店、2002年)、小林珍雄編『キリスト教用語辞典』(東京堂出版、1954年)などの基本辞典を参考にして、上智大学の中世思想研究所が使う訳にならったりしていますが、中世史で明確な基準が設定されているわけではありません。
また、この辺の事情について、こちらで解説をしています(無論カトリック側からの説明ですが)。
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