フィリップ・オーギュストについて
最近、ウチのゼミではすっかりイメージガタ落ちのフィリップ2世(1165-1223)ですが。
今回色々調べて改めて不思議に思ったことは、この「オーギュスト」の訳語に「尊厳王」と当てることです。
確か遠い昔の記憶ですが、フィリップをこう訳していたものけっこうあったはず(今は知らないけど)。
でもこの場合の Auguste は、そのまま「オーギュスト」と訳すしかないような気がします。
形容詞じゃないんですもの。「尊厳なる」フィリップではないんですね。
「8月生まれ」と初代ローマ皇帝 Augustus Caesar を重ねた意味で使っていたわけですし。
だから、フィリップ2世研究の第1人者、Baldwin がわざわざその著作のタイトルに、Augustus と表記しているわけですね。
Bradbury の評伝もそうですね。
The Government of Philip Augustus: Foundations of French Royal Power in the Middle Ages
- 作者: John W. Baldwin
- 出版社/メーカー: Univ of California Pr on Demand
- 発売日: 1991/06/01
- メディア: ペーパーバック
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Philip Augustus: King of France 1180-1223 (The Medieval World)
- 作者: Jim Bradbury
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 1997/11/11
- メディア: ペーパーバック
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フランス語圏研究書だと Auguste で表記しちゃいますけど。