ピエール＝イヴ・バデル『フランス中世の文学生活』

フランス中世の文学生活

原著：
Pierre Yves Badel, Introduction à la Vie littéraire du Moyen Age (Paris: Bordas, 1969).

現在原著は入手困難な模様。
著者は『薔薇物語』研究で大著を残してる。

普通のフランス中世文学史、というような代物ではない。

中世文学作品（フランス限定の）を通して見える宇宙観、世界観や社会の諸相を抽出してみせたり、文学作品におけるエリート起源と民衆起源の物語層を簡単に提示したり、詩や物語の類型、諸特徴、形成史などを簡便にまとめてみせたりと、薄い分量ながら、かなりサーヴィスしてくれているお得な入門書。
ただし、入門書としては若干値が張りますけど。

再読ですが、個人的に色々益するところがありました。
これがイタリアとかになるとまた凄いことになるんでしょう。
ちなみに、本書を読んでもダンテとかの影響っていうのまではわかりません。