中世の「社会」思想史
もう何度も読み返している「古典」ですが、やっぱりこの本は良いと思います。
- 作者: 樺山紘一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/07/30
- メディア: 単行本
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「中世社会思想史」とでも言えばいいのでしょうか。
そもそも中世に「社会」というものがあるのか、という問いは出てくるかと思いますが。
ですが、「この世」or 「現実」をどう認識していたか、という問いにたった研究は、結構なものがありますよね。
もはや古典となったデュビイの『三身分論』なんかはその筆頭でしょう。
英訳:
The Three Orders: Feudal Society Imagined
- 作者: Georges Duby
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
- 発売日: 1981/01/01
- メディア: ハードカバー
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あと邦語だと、やや趣は異なるかと思いますが、
- 作者: 甚野尚志
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 1992/10
- メディア: ハードカバー
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も挙げられますよね。
ただ最近、オットー・ゲルハルト・エクスレの論文
- Oexle, Otto Gerhard., " Perceiving Social Reality in the Early and High Middle Ages: A Contribution to a History of Social Knowledge ", Ordering Medieval Society: Perspectives on Intellectual and Practical Modes of Shaping Social Relations, ed. Bernhard Jussen, tr. Pamela Selwyn (Philadelphia: University of Pennsylvania Press, 2001), pp. 92-143.
は、この問題に対して、論点の整理、分析フレームの建て方など、興味深い議論を展開しているなと個人的に思いました。
射程が13世紀以降まであまり伸びていないのがナンですが。