SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS ANNEX

SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS 別館

フリードリヒ2世の宮廷における科学

昨日の世界遺産絡みで。
単なるメモですが。



中世文化史系の雑誌の中でも、個人的に一番好きな雑誌、Micrologus より。http://www.sismelfirenze.it/micrologus/


H さんのサイトに8巻まで目次が掲載されているやつですね。


この雑誌、東京じゃ入れてくれる大学少ないんですよね。上智の中世思想研究所は全部入れてますけど。
去年、ウチのボスにおねだりしてみましたが、雑誌の購入はやっぱり難しいみたいです。


最新号の特集が「中世の秘密」だっけ?
これはまだ出ていないのか。そうすると「太陽と月」か。


昔読書会で、ミクロログスから一巻取り上げてやるかという企画もありましたが、流れてしまいました。
また機会があったらやってみたいところです。


以下フリードリヒ2世特集のタイトルと目次試訳。
ちなみに僕はこの巻未読でございます。

『ミクロログス』第2巻

Sciences at the Court of Frederick II 『フリードリヒ2世の宮廷における科学』 (1994)



  • M. McVaugh, Medical Knowledge at the Time of Frederick II 「フリードリヒ2世時代の医学知識」
  • D. Jacquart, La physiognomonie à l’èpoque de Frédéric II: Le traité de Michel Scot「フリードリヒ2世時代の観相学:マイケル・スコットの論考」
  • D. Pingree, Learned Magic in the Time of Frederick II 「フリードリヒ2世時代の教養魔術」*1
  • S. Caroti,L’astrologia nell’età di Federico II「フリードリヒ2世時代の占星術
  • P. Gautier Dalche, Le saviors géographiques en méditerranée chrétienne (XIII S.)「13世紀キリスト教地中海世界における地理学的知」
  • C. Burnett, Michael Scot and the Transmission of Scientific Culture from Toledo to Bologna via the Court of Frederick II Hohenstaufen 「マイケル・スコットと科学文化の伝播:トレドからホーエンシュタウフェン朝フリードリヒ2世の宮廷経由のボローニャへ」
  • S. J. Williams, The Early Circulation of the Pseudo-Aristotelian Secret of Secrets in the West: the Papal and Imperial Courts 「西洋における偽アリストテレス『秘中の秘』の初期の流通:教皇宮廷と皇帝宮廷」
  • R. Rashed, Fibonacci et les mathématiques arabes「フィボナッツィとアラビア数学」
  • D. Walz, Das Falkenbuch Friedrichs II 「フリードリヒ2世の鷹狩の書」
  • J. L. Gaulin, Giordano Ruffo et l’art vétérinaire「ジョルダーノ・ルフォと獣医術」
  • P. Morpurgo, Federico II e la scuola di Salerno: filosofia della natura e politica scolastica della corte sveva. 「フリードリヒ2世とサレルノ学派:シュヴァーヴェン宮廷の自然哲学とスコラ的政治」


自然学と文化にフューチャーしていてステキです。

英・仏・独・伊語で、歴史、思想史(特に科学史か)、文学などが混じりあうところがこの雑誌の特徴でしょうか。

この雑誌、バリアーニが音頭とっているみたいなんですよねぇ。
最大の難点は、年々報告者が増えているため、一冊が分厚くなってきていて、もはやコピーするのがしんどくなってきていることですか。
しかも買うとなるとけっこうするんですよね。

*1:Learned ってこの場合これでいいものなのか…