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SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS 別館

ムハンマド風刺画問題雑感


何か書こうと思いましたが、とてもそんな精神的余裕がないので、とりあえず簡単に僕が気になる点をいくつか。
気が向いたらもっとぶっちゃけたコメントでも、お試しがてらみくすぃの方に吐き出すかもしれません。

とは言うものの、僕は元中東イスラーム史を齧っていたので、ちょっとその辺りにバイアスがかかるかもしれないのであしからず。
身近な所では、アブー氏辺りが発言するのが一番的確なんでしょうかね。


  • 日本のネット界隈をこの問題にコメントしているのはどういう人たちか。

イスラーム研究者、日本人ムスリム、中東在住者からの発言をあまり見つけることができないということは、何を表しているか?

  • この問題に暴力で訴える抗議は何ら「目には目を」ではない。

やるならイエスか何かを風刺した方がいい(それも大半のムスリムにとって耐え難いかもしれないが)。

  • 風刺画とその他表現媒体との質に差異があることを考慮する必要があるのではないのか。

風刺画というものが持つ性質、および流通の仕方は、小説や漫画のような他の紙による表現とは違うように思われる。
歴史学が風刺画を史料として使うということの意味。
「たかが風刺画」どころではないはず。

  • ここでメディアなどが「表現の自由」を主張しているが、これをぶつけてくる効果をどの程度考えているのか。

デンマーク内でその効果を求めていたものが、国境を越えてヨーロッパに広がった場合、ムスリムにとって、国内ムスリムとの問題とは写らないのではないか。


  • この問題について中東で火がついた意味。

近代この方、ずっと西欧に煮え湯を飲まされているのが中東(見捨てられたのがアフリカ)。

  • 近代西欧の価値観・普遍性と植民地支配正当化言説を思い出した。