SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS ANNEX

SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS 別館


本業と関係ないんですが、気になる。


◎東アジア恠異学会第43回定例研究会 http://kaiigakkai.hp.infoseek.co.jp/mokuji.htm

日時:2005年10月29日(土)13:00〜
場所:未定
発表:
・「王充『論衡』における鬼神論―怪異発現のメカニズム―」
  ―佐々木聡氏(金沢大学大学院・中国思想史)
【要旨】
 本発表では、後漢代の思想家である王充の著作『論衡』をとりあげ、その鬼神論の体系の柱となっている「怪異のメカニズム」について考察する。

 中国における鬼神とは狭義には死者の魂を指す。古来より祖先祭祀を重んじた中国では、祭祀観との関わりから、鬼神についての議論が盛んに行われた。また、この鬼神は天人感応思想の中で「怪異」の一つとして位置づけられ、国家イデオロギーの中に取り込まれた。このような状況の中で、王充は逆に鬼神の概念の指す対象を他の「怪異」にまで敷衍させることで、狭義の鬼神のみならず広く怪異一般を包括する形での「鬼神」概念を構想した。その上で王充は、この鬼神論の中にさらに機械論的な「気」の概念を導入することで、独自の理論体系を大成したのである。本発表では異端と呼ばれる王充の鬼神論、特にそこに展開される王充独自の「気」を用いた「怪異のメカニズム」を中心に検討し、その意義について考えたい。


・「怨霊祭祀伝承における「冤罪」の生成−殺人譚・祟りと易占本」
  ―井上智勝氏(大阪歴史博物館学芸員
【要旨】
 中近世において、怨霊を祭祀した社祠の成立には、多くの場合殺人譚を伴っている。父祖が下人や山伏を殺したりしたため、その祟りを被り、神に祝ったという類である。だが、このような殺人の事実は本当に存在したのだろうか。本報告では、かかる殺人譚が定型化していることに注目し、それらが多く宗教者の知識に基づき創作されたものであったことを解明して、殺人者に仕立て上げられた多くの人々の「冤罪」を晴らす。

◎「歴史と人間」研究会 http://rekinin.hp.infoseek.co.jp/


第139回例会
大石和欣氏 「異質なフランス革命ルポルタージュ 〜 ヘレン・マライア・ウィリアムズの『フランスからの手紙』をめぐる歴史記述の問題」
日時:10月16日(日)午後2時〜 
場所: 一橋大学西キャンパス職員集会所
 「感受性詩人」として出発したヘレン・マライア・ウィリアムズ(Helen Maria Williams、 1762-1827)は、フランス革命勃発後の1790年一人で訪仏し、自ら目撃した革命の有様を『フランスからの手紙』(Letters from France)に綴り、出版した。その後もフランスに留まり、ロベスピエールやナポレオンの台頭したフランスの様子を報告し続ける。イギリス人でしかも女性が記録したフランス革命は、その非公式性、主観性、思想的偏向性のために歴史家が依拠する歴史記述の資料としては必然的に蔑視されやすい。しかし、逆にそれゆえにこそ歴史記述の問題を考える際に面白い題材を提供してくれるはずである。ウィリアムズが用いた「書簡」という形式は、男性が支配する公的・政治的領域に女性が介入するための特殊な戦略的手段であったことにも注意する必要がある。一種のルポルタージュとして機能しながらも、女性的な感性を生かし、文学的・ロマンス的性格さえ纏った『フランスからの手紙』は、当時の政治的言説としても、また歴史記述としても特異なものとして扱うことが可能である。研究の途中経過報告である今回は、さまざまなレベルで異質なヘレン・マライア・ウィリアムズの1790年版『フランスからの手紙』を中心にして歴史記述の問題を考えてみたい。



面白そう。てか贅沢な企画ですな。
id:prokoptonさん経由。 http://d.hatena.ne.jp/prokopton/20051011/p2

http://www.l.u-tokyo.ac.jp/shiseigaku/ja/yotei/yo_051107.htm

ジョン・ノース教授 死生学連続講義
古代ローマ人の死生観とその変容
――共和政期の宗教伝統は、帝国成立に至る政争と対抗する新たな諸宗教運動の出現によって、いかに変容していったか――

講演者 : ジョン・ノース教授 (ロンドン大学UCL歴史学科)

第1回 11月7日(月)17:00‐18:30 文学部法文1号館 314教室

「共和政期ローマにおける祭司と法」 Priests and Law in Republican Rome
ローマの宗教法は、共和政中期のローマ国制に対してどのように関わっていたか。また、祭司階層が政治生活に果たした役割とは何か。