『西洋思想史上のキリスト教』
- 作者: 小嶋潤
- 出版社/メーカー: 刀水書房
- 発売日: 1992/07
- メディア: 単行本
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中世哲学史を追っかけている一環で読みましたが、結論から言って僕にはハズレ。
何ていうか作者のノートを本にしたような感じ。
註もないですし。
読書ってハズレを確認するための作業とは言いますが、今回はまさにそれがでました。
ただ、フィロンとヨハネの繋がり、ロゴス論のキリスト教への影響という点では、僕が予想していた道筋がどうも間違ってはいないようだという感触はつかめました。
やはりちゃんとした中世哲学史に目を通さないとダメだなと。
その意味では僕には有益でした。
ただ、この人もプロテスタントの神学者で、しかも戦前生まれの人なんですが、受けた思想史のトレーニングの足跡が如実に出ているなと感じました。
ドイツ思想の影響がいかに強いか。
しかもサルトルの実存主義で終わっている点も、ドゥルーズ、デリダまでは行けなかったんだなという感じが著者のトレーニングの範囲を窺わされます。