SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS ANNEX

SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS 別館

佐藤賢一『カペー朝』


カペー朝―フランス王朝史1 (講談社現代新書)

カペー朝―フランス王朝史1 (講談社現代新書)

読み物。
この人の小説よりは読める。
これってなんなんでしょうね。


しかし「家系図」っていうものは、歴史にとってどれほどの意味あるのか毎度よくわからない。
男子のつながりメインに追っかけてもあんまり見えてくるものがないと思っちゃうんだけど。
カペー家なんかまさにこれで、むしろ女性(嫁・娘)がどんなつながりを狙ったものか追っかける方が面白いと思うんだけれども。
有名ですが、アリエノール・ダキテーヌ軸にするとヨーロッパに面白い血脈を作ることになってますよね。


まあしかし、これをどんどんやっていくと「家系図」というスタイルが成り立たなくなるのよね。レイアウト的にも半無限横に膨大に広がりまくるし。


ついでにいうと、この本読むと、たぶんカペー家の男は「南の女」がたぶん好きなんだろうなっていう読後感を得られるでしょう。
個人的には、ルイ7世からカペー家末代までの一族の結婚戦略などの流れは非常に興味深いのです。