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SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS 別館

岡田暁生『音楽の聴き方』


音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書)

音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書)


まったくクラシックは分からないにもかかわらず、個人的にかなりツボ。
よく知らないですが、今まで音楽でこういう類の本が無かったんですかね。
だとしたらそれも驚き。


音楽に限らず、言葉で語ることで初めてその対象を十分に堪能できるものであると。
身体的感覚を伴うものと、それを語るという営みが、両立し得ないと思っていたところに大きな誤解がある。
音楽は殊にそう捉えられてきたところに、近代とか、西洋音楽を輸入した日本とか、諸々と不幸だったよねと。

この点それを考えると、同じ身体感覚を駆使するものでも、ワインはそれを「語る」ための「文法」が早くから作られてきましたね。


本書の内容はこれだけではなくて、重要な指摘が盛りだくさん。


余談ながら、 K 先生ってそんなにジャズに精通していたのですか。