岩波敦子:『誓いの精神史』
読みやすくサクサク読了。
誓いの精神史 中世ヨーロッパの<ことば>と<こころ> (講談社選書メチエ)
- 作者: 岩波敦子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/11
- メディア: 単行本
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扱っている史料の主なジャンルが法系と文学系のようですね。
しかしこのテーマはネタの宝庫ですね。
史料も凄まじく厖大になります。
個人的には、誓いのことばをめぐる神学・道徳上の議論の展開を加えるとどうなるのか気になりました。
その辺りも言及されていますけれども。
特に13世紀以降、「ことばの罪」の体系化が神学上・司牧上のテーマに挙がっていきますので。
ことばの罪の中でも、Mendacium(嘘)とPeriurium(偽証/偽誓)の神学的・司牧的整理などは、その歴史も長く、ことばの倫理的問題と神学的問題に関わるものであり、色々議論されています。
『最後の決闘』の箇所など面白いエピソードが多数。
どーでもいいくらい瑣末なことですが、人名表記に若干ブレがあるように思いました。
索引で見れば同一人物であるとわかりますけど。